RAIDとは何か?リビルドアシストとは
投稿日:2025/4/22
更新日:2025/4/22
HDDやSSDを複数台使われるサーバーやストレージにはRAIDという技術がよく使われます。まずRAIDとはどのようなものなのか、どのような種類があるのか、それぞれの特徴についてご紹介致します。
RAID 0(ストライピング)
特徴: データを複数のディスクに分割して書き込みます。HDDの数量は2台から構築できます。
メリット: 高速な読み書き速度を実現できます。
デメリット: 1台でも故障するとデータがすべて失われます。(冗長性なし)
使用用途:高速な読み書きが必要な環境(動画編集、ゲーミングなど)
RAID 1(ミラーリング)
特徴: 同じデータを2つのディスクに書き込みます。HDDの数量は2台から構築できます。
メリット: 片方のディスクが故障してもデータが保持されます。(高い冗長性)
デメリット: 使用できる容量が半分になります。(効率が悪い)
データの安全性が重要な環境(企業の重要データ、バックアップなど)
RAID 5(分散パリティ)
特徴: データとパリティ情報(誤り訂正データ)を複数のディスクに分散して保存します。HDDの数量は3台から構築できます。
メリット: 1台のディスクが故障してもデータを復元可能で、比較的高速に動作します。
デメリット: 3台以上のディスクが必要になり、再構築時に負荷がかかります。
使用用途:バランスが取れた冗長性とパフォーマンス(ファイルサーバー、データセンターなど)
RAID 6(ダブルパリティ)
特徴: RAID 5のパリティを2つに増やして冗長性を向上します。HDDの数量は4台から構築できます。
メリット: 2台のディスクが故障してもデータを復元可能となります。
デメリット: RAID 5より書き込み速度が遅く、容量効率が低下します。
使用用途:バランスが取れた冗長性とパフォーマンス(ファイルサーバー、データセンターなど)
RAID 10(RAID 1+0)
特徴: RAID 1(ミラーリング)とRAID 0(ストライピング)の組み合わせ。HDDの数量は4台から構築できます。
メリット: 高速かつ高い冗長性
デメリット: ディスクを4台以上必要とする(コストが高い)
使用用途:高速かつ信頼性が求められる環境(データベースサーバーなど)ランスが取れた冗長性とパフォーマンス(ファイルサーバー、データセンターなど)
RAID 50(RAID 5+0)
特徴: RAID 5(分散パリティ)とRAID 0(ストライピング)の組み合わせ。HDDの数量は6台から構築できます。
メリット: 高いパフォーマンスかつ冗長性あり。拡張性があり、容量効率が良い。
デメリット: 構成が複雑で、コストが高い。リビルド負荷が大きい。
使用用途:高速性と耐障害性が求められる環境。(ファイルサーバー、大容量データ処理、仮想化環境など)
RAIDリビルドアシストとは
Western Digital製のUltrastar HDDには、RAIDリビルドアシストという機能があります。
上記に述べましたように、RAIDを構築することで、ドライブが故障してもデータを保護できる方法は確立されておりますが、RAIDの再構築により新しいドライブにデータを復旧するにはかなりの時間がかかります。
ドライブの容量が大きくなるほど、復旧に必要なデータ量が増えて、再構築の時間も長くなります。
この課題に対処するために、Western Digital製のUltrastar HDDではRAIDリビルドアシスト( Rebuild Assist)と呼ばれる業界標準機能をサポートしています。
リビルドアシストは、再構築時間を大幅に短縮するだけでなく、すぐにフルパフォーマンスに戻すことで、データ損失のリスクも軽減します。
従来の再構築の方法は、故障ドライブのデータの大部分がまだアクセスできる状態であっても、ドライブ全体を回復不可能なものとして扱い、オフラインにします。システムは、残りの正常なドライブを使用して、すべてのデータを交換用ドライブに再構築する必要があります。これには数時間から数日かかる場合があります。
リビルドアシストを使用すると、故障したドライブの正常なデータを通常の動作速度でホットスペア(新しいドライブ)にコピーし、回復不可能な小さなデータの部分だけを再構築できるようにします。つまり、コピーできるものはすべてコピーするというやり方です。
正常なデータを通常の動作速度でコピーすることが、リビルドアシスト機能の重要な原理です。
この機能を使うことで、RAIDの再構築の時間を短縮し、データロスのリスクを減らすことができます。
・従来の再構築の方法
正常なドライブからのみデータコピー
・リビルドアシスト
故障したドライブから無事なデータをコピーしてから、不足分を正常なドライブからデータコピー
まとめ
RAIDの種類ごとにメリットやデメリットなどの特徴をご紹介し、Western Digital製Ultrastar HDDのRAID リビルドアシスト(Rebuild Assist)機能についてご説明しました。
この機能は現在販売中のエンタープライズHDDに採用されていますので、ご興味のある方はサンプルのご購入をお勧め致します。
(参考)RAIDとは?RAID0~10の解説 メリットデメリットも解説
https://www.satori.co.jp/sptechnology/column/raid.html
会社紹介:Western Digital社とは
Western Digital Corporationは1970年設立されたストレージソリューション企業です。
現在は、半導体メモリ事業を分離・独立させ、HDD(ハードディスクドライブ)事業に専念し、AI(人工知能)時代のデータストレージを強化する方針を打ち出しています。
佐鳥SPテクノロジは正規販売代理店契約を締結し、法人様向け製品の販売を行っております。
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