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Western Digital社製HDD Ultrastar® DC HC555のパフォーマンスについて

投稿日:2025/3/18

更新日:2025/3/18

 

佐鳥SPテクノロジ社で取り扱っていますエンタープライズ向けHDDの中から、今回はWestern Digital社製 Ultrastar® DC HC55518TB SATAモデルについて、パフォーマンスを測定してみたいと思います。


 

Western Digital社製 Ultrastar® DC HC555シリーズについて

Western Digital社製Ultrastar® Data Center HC555ハードディスクドライブは、24時間365日稼働のマルチユーザーデータセンター環境で高負荷のワークロードを処理するために必要な大容量、強力なパフォーマンス、実証済みの信頼性を提供します。

Western Digitalのエネルギーアシスト垂直磁気記録(ePMR)テクノロジーにより、容量を拡張しながら、TB(テラバイト)あたりのコストと運用コストの両方を含むTCO(Total Cost of Ownership:総所有コスト)を削減できます。

Western Digitalのトリプルステージアクチュエータ(Triple Stage Actuator:TSA)は、アクチュエータアームの制御を高めながら、1インチあたりのトラック数(Track Per Inch : TPI)を増やし、低消費電力でありながら大容量を実現しています。

HelioSeal®テクノロジーによって生み出された安定した内部環境により、この大容量ヘリウム充填ドライブは業界で最も低い低消費電力プロファイルの1つを実現しています。

回転振動(RV)センサーが振動の増加による障害を予測し、発生を事前に防ぎ、多軸衝撃センサーがわずかな衝撃を自動的に検出し、動的フライハイトテクノロジーで補完することでパフォーマンスを維持し、データを保護します。




Ultrastar® DC HC555の仕様について

Western Digital社製 Ultrastar® DC HC555の主な仕様は、以下の通りです。

容量は12TBから20TBまで用意されており、今回は18TB SATAにて測定を行います。





測定PC環境

今回のパフォーマンス測定で使用するPCの仕様は、以下の通りです。

CPU インテル Core i7-11700

チップセット インテルB560

メモリ   8GB

OS Windows 11 Home 64bit

 



パフォーマンス測定結果

(1)Crystal Disk Mark

まずは、皆さんもよくご存じのパフォーマンス測定ソフトウェアである、「Crystal Disk Mark」で測定しました。

 

CristalDiskMarkとは】

各種ストレージ (HDD, SSD, USBメモリなど) の速度を測定するベンチマークソフトです。

https://crystalmark.info/ja/software/crystaldiskmark/

 

Ultrastar® DC HC555 18TB測定結果

Sequential転送速度の測定ではスペック(Max 269MB/s)を満たす結果でした。

 

 

 

 

(2)ATTO Disk Benchmark

次はATTO Disk BenchmarkにてSequential Read/Writeのピーク性能をテストします。

 

ATTO Disk Benchmark」は、ストレージのシーケンシャルアクセス性能とブロックサイズごとの性能を測定するベンチマークソフトです。異なるサイズの複数のデータを用いて、各データをディスクにRead(読み込み)Write(書き込み)する際、1秒間でRead/Writeできるデータ転送速度がグラフ表示されます。

 

Ultrastar® DC HC555 18TB測定結果

小さいブロックサイズにおいては、Sequential Readの方がSequential Writeよりも速い傾向があります。

32KB以上のブロックサイズでは、ほぼスペックのMax 値(269MB/s)に近い転送速度が出ています。

 

 

 

 

3Sequential Read/Write(TxBENCH)

次は、株式会社Texim社が提供している「TxBENCH」にて、SSD全体のSequentialパフォーマンスを測定してみます。

TxBENCHとは】

SSDHDDなどのストレージ性能を計測するベンチマークソフトウェアです。

 

Ultrastar® DC HC555 18TB 測定結果

ReadWriteともに、安定した転送速度を実現しています。HDDの構造上、ディスク外周部の転送速度は速く、内周部にいくに従い転送速度は低下していきます。これは、BPIBit Per Inch:線記録密度)によって決まってくるものです。

 

 

 

 



4Random Read/Write(Iometer)

最後に、「Iometer」にて、Random R/W混在のパフォーマンスを測定してみます。

 

Iometerとは】

Iometer は、もともとインテル社によって開発され、その後Open Source Development Lab (OSDL)に譲渡されました。現在はIometerプロジェクトとして、SourceForge.netに登録され提供されている単一システムおよびクラスター化システム用の I/O サブシステムの測定および特性評価ツールです。

http://www.iometer.org/

 

Ultrastar® DC HC555 18TB測定結果

ランダムReadとランダムWriteの割合を変え、QD(Queue Depth)を変えて測定しました。QDが小さいものはランダムWriteの割合が多い方が速い傾向が出ており、QDが大きいものはRead/Writeの割合に関係せずパフォーマンスが安定する傾向があります。

 

 

 


評価結果まとめ

エンタープライズ向けSATA HDD Ultrastar® DC HC555のパフォーマンスを測定してみました。

直前に出たモデルのUltrastar® DC HC550と比べますとパフォーマンスはほぼ同じで、少し改善されているという結果でした。

このモデルでは、新たなテクノロジーを導入するというわけではなく、HDD容量が12TBから20TBまでの広い範囲をカバーして、長期供給を目指す製品となりますので、長期間のご使用をお考えのお客様にはお勧めの製品となります。

前モデルは以下Link参照
Western Digital社製データセンター向けHDD Ultrastar DC HC550

 

会社紹介:Western Digital社とは

Western Digital Corporation1970年設立されたストレージソリューション企業です。

現在は、半導体メモリ事業を分離・独立させ、HDD(ハードディスクドライブ)事業に専念し、AI(人工知能)時代のデータストレージを強化する方針を打ち出しています。

佐鳥SPテクノロジは正規販売代理店契約を締結し、法人様向け製品の販売を行っております。


 

購入までの流れ

当社では、組み込みストレージ製品の導入検討から購入までを技術サポート含め一貫して提供しています。在庫や価格情報などを詳しく知りたい場合は、ぜひお問い合わせください。