佐鳥SPテクノロジ株式会社

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クラウドとAIの「心臓部」を動かすSandiskのエンタープライズSSDが支えるデータセンターの最前線

投稿日:2025/12/1

更新日:2025/12/1

私たちが日常的に使う「クラウドストレージ」、視聴する「動画配信サービス」、そして今まさに急速に進化する「AI」。これらのサービスが、なぜ瞬時に応答し、膨大なデータを処理できるのか。その答えは、巨大な「データセンター」の中にあります。
そして、そのデータセンターという現代社会の神経中枢で、血液のように情報を循環させる「心臓部」の役割を担っているのが「エンタープライズSSD」です。
PCの高速化で名を馳せたSandiskは、この最も過酷で、最も重要な領域においても、その技術力でデジタル社会の基盤を支え続けています。

                                 






目次

PC向けとは「次元」が違うデータセンターの過酷な要求

私たちが使うPC向けのSSD(クライアントSSD)と、データセンターで使われるエンタープライズSSDは、見た目や「SSD」という名前は同じでも、中身は全くの別物です。
クライアントSSDが「短距離走の速さ」を求められるなら、エンタープライズSSDは「24時間365日、フルマラソンを走り続ける強靭な心肺機能」を要求されます。
データセンターでは、私たちが寝ている間も、世界中のどこかからアクセスが殺到し、AIが学習を続け、膨大なログデータが書き込まれ続けます。
彼らに課せられる要求は、まさに「異次元」です。






1. 桁違いの「書き込み耐性(Endurance)」

エンタープライズSSDの耐久性は、「DWPD (Drive Writes Per Day)」という指標で表されます。これは、「保証期間中、1日にドライブの全容量を何回書き換えられるか」を示すものです。
一般的なPC向けSSDが0.3 DWPD程度(5年間では全容量の500回程度)なのに対し、エンタープライズSSDは、用途に応じて1 DWPD、あるいは3 DWPDといった、凄まじい耐久性が求められます。この耐久性を実現するために、特殊なNANDフラッシュメモリと高度な制御技術が投入されます。

※DWPD:「Drive Writes Per Day」の略称で、1日あたりにドライブの全容量を何回書き換えることができるかを示します。




2.一瞬の「遅延」も許さない安定性(QoS)

金融取引やリアルタイム分析では、「平均速度」よりも「最悪の遅延(レイテンシ)」が重視されます。PC向けSSDが一瞬、応答が遅れる(引っかかる)ことがあっても問題になりませんが、データセンターではその一瞬の遅れが、サービス全体の停止や莫大な損失に直結しかねません。
エンタープライズSSDは、どれほど高負荷な状態が続いても、応答時間が一定の基準(例: 99.99%のアクセスが1ミリ秒以内)に収まるよう、厳格なQoS (Quality of Service)が保証されています。




3. データの「静かな破損」を防ぐ絶対的な整合性

データは「壊れない」ことが大前提です。エンタープライズSSDには、万が一NANDチップの一部にエラーが発生しても、あるいはデータ転送経路でノイズが乗っても、それを瞬時に検知・訂正する「エンドツーエンドのデータ保護機能」や、予期せぬ電源断からデータを守る強力な保護回路が搭載されています。




             



Sandiskが最前線で戦える理由

この過酷な市場で、なぜSandiskは世界の巨大クラウドプロバイダー(ハイパースケーラー)たちに選ばれ続けるのでしょうか。
その答えは、彼らが単なる「SSD組立メーカー」ではなく、「フラッシュメモリそのもの」から生み出す「垂直統合」の巨人である点に尽きます。




1. メモリの「特性」を知り尽くした設計

Sandiskは、SSDの根幹であるNANDフラッシュメモリを自社で開発・製造しています。メモリの微細な特性、温度による挙動の変化、劣化のパターンを世界で最も深く知る者として、その性能を限界まで引き出し、かつ安定させる「コントローラ」と「ファームウェア(制御ソフト)」を最適に開発できます。




2. ワークロードへの最適化

データセンターの仕事(ワークロード)は様々です。「読み出し」が9割を占めるサーバーもあれば、「書き込み」が延々と続くサーバーもあります。
彼らは、自社製メモリの特性を活かし、そうした多様なニーズ(Read-Intensive, Write-Intensive, Mixed-Use)それぞれに特化した専用のSSDラインナップを提供できます。この「かゆいところに手が届く」開発力こそが、効率を追求するデータセンターにとって不可欠なのです



3. 最新規格(NVMe)への強力なリーダーシップ

データセンターのストレージは、従来のSAS/SATA規格から、CPUとSSDを直結し低遅延を実現する「NVMe(エヌブイエムイー)」へと急速に移行しています。Sandiskは、このNVMe技術の標準化と製品開発を初期からリードしており、最先端のデータセンターが求める「超高速・低遅延」の要求に応え続けています。





まとめ:デジタル社会の「当たり前」を支える基盤技術

私たちがクラウド上でAIに質問し、瞬時に答えが得られる。世界中の動画を途切れることなく楽しめる。その「当たり前」の裏側では、データセンターの中でSandiskのエンタープライズSSDが、私たちの目には決して触れることなく、24時間365日、膨大なデータを処理し続けています。
それは、PCの起動を速くするのとは全く異なる、現代のデジタルインフラそのものを根底から支える、重く、そして誇り高い使命なのです。








会社紹介:Sandisk社とは

Sandisk社は、アメリカ合衆国に本拠地を置き、NAND型フラッシュメモリベースの製品を製造・販売する世界有数のデータストレージメーカーです。SDカード、USBフラッシュドライブ、SSDなど、スマートフォンからデータセンターまで幅広い用途に対応する製品を提供しています。
2016年にWestern Digitalに買収されましたが、2025年にウエスタンデジタルのフラッシュメモリ事業が分離・独立し、再び「Sandisk」として独立した企業となっています。
佐鳥SPテクノロジは正規販売代理店契約を締結し、法人様向け製品の販売を行っております。


 

購入までの流れ

当社では、組み込みストレージ製品の導入検討から購入までを技術サポート含め一貫して提供しています。在庫や価格情報などを詳しく知りたい場合は、ぜひお問い合わせください。