佐鳥SPテクノロジ株式会社

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SanDisk製エンタープライズSSDの全貌
生成AI主導型データエコノミーにおける次世代ストレージ戦略と技術的優位性の徹底解剖

投稿日:2025/5/22

更新日:2025/5/22

生成AIの爆発的な普及により、ストレージは単なる「データの保管庫」から、ビジネスの競争力を直接左右する「戦略的コアエンジン」へと変貌しました。いかに高性能なGPUを導入しても、データ供給のボトルネックが解消されなければ真のAI活用は実現しません。本コラムでは、過酷なAIワークロードを支えるSanDisk製エンタープライズSSDに注目しました。圧倒的なスピード、堅牢な耐久性、優れた電力効率など、データエコノミー時代を勝ち抜くための次世代ストレージ戦略とその技術的優位性の全貌を徹底解剖します。




新生SanDiskの誕生

2025年2月、データストレージ業界に歴史的な地殻変動が起きました。Sandisk(サンディスク)がWestern Digitalからのスピンオフを完了し、フラッシュメモリおよびSSD専業の独立上場企業として再始動しました。同社はエンタープライズ市場における「Sandisk」ブランドの純化と再定義を完了させました。
大規模言語モデル(LLM)の学習と推論を支えるデータレイクの需要が爆発する中、SandiskはエンタープライズSSDにリソースを集中させることで、トッププレイヤーとして業界を牽引しています。




AIデータサイクル戦略と主力SSD製品群のパフォーマンス

Sandiskは、AIワークロードの各段階(データの収集から学習、推論、生成まで)に最適化された「AIデータサイクル」戦略を展開しています。

製品モデル DC SN861 SN655
ターゲットワークロード 計算集約型 (AI学習/推論) 読取集約型 (オブジェクト等)
インターフェース PCIe Gen 5 PCIe Gen 4
フォームファクタ U.2, E1.S, E3.S U.3 (U.2互換)
最大容量 15.36 TB 61.44 TB
主な特徴 最大334万IOPS / OCP Inspired認定 デュアルポート対応 / 1 DWPD


計算集約型の旗手「DC SN861」 PCIe Gen5対応のフラッグシップ「SN861」は、最大330万 IOPSという非常に高いピークランダムリード性能を誇ります。Open Compute Project(OCP)認定や、NVIDIAの次世代ラックスケールシステム「GB200 NVL72」のサポート認証を取得しており、AIサーバーにおけるミッションクリティカルな要求に即座に応えるエコシステム適合性を持っています。
「Direct Write QLC」による256TBの極限密度、物理的なラックスペースの制約を打破するため、Sandiskは2026年に「256TB UltraQLC NVMe Enterprise SSD」を市場投入します。最大の特徴は、独自の「Direct Write QLC」技術です。従来のQLC SSDが抱えていた疑似SLCキャッシュの枯渇によるパフォーマンス急落を完全に排除し、ペタバイト級のAIデータセットを連続して取り込む過酷な環境下でも、極めて平坦で予測可能なスループットを維持します。






競合比較分析:Samsung、Micron、Kioxiaとの全面対決

2026年のエンタープライズSSD市場は、垂直統合型メーカー(IDM)による熾烈な技術競争の場となっています。ここではSandiskと競合3社のPCIe Gen5製品の仕様を比較します。

メーカー名 SanDisk Micron Samsung KIOXIA
モデル名 SanDisk SN861 Micron 9550 MAX PM1743 CM7-R Series
インターフェース PCIe Gen5 x4 PCIe Gen5 x4 PCIe Gen5 x4 PCIe Gen5 x4
最大容量 15.36TB 25.6TB 15.36TB 30.72TB
フォームファクタ U.2, E1.S, E3.S U.2, E1.S, E3.S 2.5インチ (U.2/U.3),  E3.S 2.5インチ (U.2/U.3),  E3.S
シーケンシャルリード (max, MB/s) 13,700 14,000 14,000 14,000
シーケンシャルライト (max, MB/s) 8,800 10,000 7,100 7,000
ランダムリード (max, IOPS) 3,300,000 3,300,000 2,500,000 2,700,000
耐久性 (DWPD) 1 または 3 3 1 1
消費電力(max) 23W 18W 25W 25W
主な用途 AIモデルのトレーニングと推論, 機械学習, ディープラーニング, ハイパースケールクラウド AI, GNNトレーニング, LLM, ハイパースケール, クラウド, データセンター AI/ML, ハイエンド・コンピューティング・サーバ, エッジ・トゥ・クラウド, ミックスワークロード AI/機械学習, ビジネスインテリジェンス, オンライントランザクション処理 (OLTP), 仮想化


Sandisk SN861は、高速処理と優れた電力効率を備え、AIやデータセンターなどの高度なエンタープライズ環境に最適な高性能SSDです。
・AI・機械学習への最適化:高帯域幅と超低遅延(読み取り70µs、書き込み10µs)を実現しており、計算負荷の高いAIモデルのトレーニングや推論タスクに特化しています。
・安定したQoSと高い電力効率:高負荷時でも安定した低遅延(QoS)を維持しつつ、消費電力を最大23W(アイドル時は約5W)に抑える設計で、運用コストの削減に貢献します。
・最新インフラへの拡張性:NVMe 2.0やFDP (Flexible Data Placement) 、OCP 2.5(Open Compute Project Datacenter NVMe SSD Specification v2.5)といったデータセンター向けの最新規格に準拠しており、将来を見据えた拡張性の高いインフラ構築が可能です。

※FDPは NVMe技術仕様の一部として、データをSSD内部の特定エリアに配置する機能です。ホスト側がデータの書き込み先(Placement Handle)を指定することで、ガベージコレクション(GC)の発生を抑制します。
※OCP 2.5は、ハイパースケール環境やクラウドデータセンター向けに設計されたNVMe SSDの標準規格です。この仕様では、管理機能、耐久性、パフォーマンスに関する要件が定義されています。




「メモリの壁」を解決する新階層:High-Bandwidth Flash (HBF)

Sandiskは既存のSSDのスペック競争とは次元の異なるアプローチで競争優位性を確立しようとしています。
生成AIの推論フェーズにおいて最大のボトルネックとなっているのが、GPUへデータを供給する「メモリの帯域幅と容量の不足(メモリの壁)」です。超高速なHBM(High Bandwidth Memory)は容量が少なく極めて高価です。
この課題に対し、SandiskはSK hynixと提携し、全く新しいメモリストレージ階層である「High-Bandwidth Flash (HBF)」を開発しました。HBFは、NANDフラッシュの高密度な記憶領域を超並列データパスで接続し、以下のような革新的なスペックを提供します。
・超広帯域と大容量: 初期世代で最高クラスのPCIe Gen 5 SSDの約50倍となる1.6 TB/sの帯域幅を提供し、1スタックあたり最大512GB(同等HBMの約8〜16倍)の容量を実現。
・HBM4との互換性: 次世代規格「HBM4」と同一のフットプリント、ピン配置で設計されており、ハードウェアの再設計なしに「ドロップイン」での実装が可能。
・省電力性: 不揮発性メモリであるため、DRAMのようなリフレッシュ(データ保持)電力が一切不要。




Sandisk製エンタープライズSSDのモデルについて

エンタープライズSSDの製品型番と、モデル名をご紹介致します。

SN861Model表

Form Factor U.2(1DWD)
Model Number SDS6BA119OSP9X1(1.92TB)
SDS6BA119OSP9X3(1.92TB)
SDS6BA119OSP9X7(1.92TB)
SDS6BA138OSP9X1(3.84TB)
SDS6BA138OSP9X3(3.84TB)
SDS6BA138OSP9X7(3.84TB)
SDS6BA176OSP9X1(7.68TB)
SDS6BA176OSP9X3(7.68TB)
SDS6BA176OSP9X3(7.68TB)
SDS6BA1A1OSP9X1(15.36TB)
SDS6BA1A1OSP9X3(15.36TB)
SDS6BA1A1OSP9X7(15.36TB)

 

Form Factor U.2(3DWPD)
Model Number SDS6CA216OSP9X1(1.60TB)
SDS6CA216OSP9X3(1.60TB)
SDS6CA216OSP9X7(1.60TB)
SDS6CA232OSP9X1(3.20TB)
SDS6CA232OSP9X3(3.20TB)
SDS6CA232OSP9X7(3.20TB)
SDS6CA264OSP9X1(6.40TB)
SDS6CA264OSP9X3(6.40TB)
SDS6CA264OSP9X7(6.40TB)
SDS6CA2A2OSP9X1(12.80TB)
SDS6CA2A2OSP9X3(12.80TB)
SDS6CA2A2OSP9X7(12.80TB)

 

Form Factor E1.S 15mm (1DWPD)
Model Number SDS6BA119OKP8X1(1.92TB)
SDS6BA119OKP8X3(1.92TB)
SDS6BA119OKP8X7(1.92TB)
SDS6BA138OKP8X1(3.84TB)
SDS6BA138OKP8X3(3.84TB)
SDS6BA138OKP8X7(3.84TB)
SDS6BA176OKP8X1(7.68TB)
SDS6BA176OKP8X3(7.68TB)
SDS6BA176OKP8X7(7.68TB)
SDS6BA1A1OKP8X1(15.36TB)
SDS6BA1A1OKP8X3(15.36TB)
SDS6BA1A1OKP8X7(15.36TB)

 

Form Factor E1.S 9.5mm(1DWPD)
Model Number SDS6A761TP9P8X7(0.96TB) SDS6A762TP9P8X7(1.92TB)

 

Form Factor E3.S(1DWPD)
Model Number SDS6BA119OBPAX1(1.92TB)
SDS6BA119OBPAX3(1.92TB)
SDS6BA119OBPAX7(1.92TB)
SDS6BA138OBPAX1(3.84TB)
SDS6BA138OBPAX3(3.84TB)
SDS6BA138OBPAX7(3.84TB)
SDS6BA176OBPAX1(7.68TB)
SDS6BA176OBPAX3(7.68TB)
SDS6BA176OBPAX7(7.68TB)
SDS6BA1A1OBPAX1(15.36TB)
SDS6BA1A1OBPAX3(15.36TB)
SDS6BA1A1OBPAX7(15.36TB)


SN655モデル表

Form Factor U.3(1DWPD)
  WUS5EA138ESP7E1
(3.84TB)
WUS5EA138ESP7E3
(3.84TB)
WUS5EA138ESP7E4
(3.84TB)
WUS5EA176ESP7E1
(7.68TB)
WUS5EA176ESP7E3
(7.68TB)
WUS5EA176ESP7E4
(7.68TB)
WUS5EA1A1ESP7E1
(15.36TB)
WUS5EA1A1ESP7E3
(15.36TB)
WUS5EA1A1ESP7E4
(15.36TB)
WUS5EC1B1ESP7Y1
(30.72TB)
WUS5EC1B1ESP7Y3
(30.72TB)
WUS5EC1B1ESP7Y4
(30.72TB)
WUS5EC1C1ESP7Y1
(61.44TB)
WUS5EC1C1ESP7Y3
(61.44TB)
WUS5EC1C1ESP7Y4
(61.44TB)

 

まとめ

競合他社が「SSD単体の速度や電力効率」の延長線上で戦う中、新生Sandiskは「UltraQLCによる極限のストレージ密度」と、「HBFによる、DRAMクラスの帯域幅とNANDの大容量性の両立」という2つの本質的なアーキテクチャの再定義に踏み込みました。データをいかに高密度で保持し、いかに広帯域で演算器へ供給するかというインフラの命題に対し、Sandiskの先見性こそが、現在の市場において最も強力な差別化要因となっています。





会社紹介:Sandisk社とは



Sandisk社は、アメリカ合衆国に本拠地を置き、NAND型フラッシュメモリベースの製品を製造・販売する世界有数のデータストレージメーカーです。SDカード、USBフラッシュドライブ、SSDなど、スマートフォンからデータセンターまで幅広い用途に対応する製品を提供しています。
2016年にWestern Digitalに買収されましたが、2025年にウエスタンデジタルのフラッシュメモリ事業が分離・独立し、再び「Sandisk」として独立した企業となっています。
佐鳥SPテクノロジは正規販売代理店契約を締結し、法人様向け製品の販売を行っております。




購入までの流れ

当社では、組み込みストレージ製品の導入検討から購入までを技術サポート含め一貫して提供しています。在庫や価格情報などを詳しく知りたい場合は、ぜひお問い合わせください。