QLC NAND製品について
投稿日:2024/7/19
更新日:2024/7/19
Flash Memory製品の大容量化が進むにつれて、NAND Flashの技術も変わりつつあります。今回はQLC NAND製品についてご説明致します。
現状のNANDフラッシュ製品ではTLC方式がよく使われています。
TLCとはTriple Level Cell(トリプルレベルセル)のことで、1つのメモリセルに3ビット(8種類)のデータを保存することができます。
その後に出てきたQLCについては、Quad Level Cell(クワッドレベルセル)と呼ばれるもので、1つのメモリセルに4ビット(16種類)のデータを保存することができます。
TLCと比べるとQLCはデータの記録密度は1.33倍になります。
QLCにすることで、容量は増えるため、容量あたりの価格は安くなると思われます。
しかしながら、耐久性や、パフォーマンスに不安があるとの意見もあります。
実際どれくらい違いがあるのか比較をしてみたいと思います。
Western Digital製のSSDでは、TLC製品が現在は主流となりますが、QLC製品も出ており、2世代目のQLC SSDが販売されております。
比較してみますと、第一世代のQLC SSD PC SN540では、現行のTLC SSD PC SN740と比べてパフォーマンスがやや低く、耐久性(Endurance)も低く見えます。
2世代目のQLC SSD PC SN5000Sにおいては、耐久性は低いですが、SSDの世代が新しくなり、インターフェイスもGen4になっていることもあり、パフォーマンスでは現行TLC SSDを超える仕様となっております。
新しい世代のSSDでは様々な技術革新によって性能が上がっているため、SSD製品としてみた場合のスペックは問題ないレベルといえるのではないでしょうか。
現行TLC製品のPC SN740とQLC製品のPC SN5000Sで同じ容量512GBにてパフォーマンスを測定してみました。
(1)Crystal Disk Mark
Sequential Read/Write, Random Read/Write共に、QLC品がTLC品よりも速いという結果でした。
・PC SN740 512GB(TLC)測定結果
・PC SN5000S 512GB(QLC)測定結果
(2)Sequential Read/Write(TxBench)
・Sequential Read比較
Sequential ReadではQLC品がTLC品よりも速い結果でした。
・Sequential Write比較
Sequential Writesでは最初の部分はQLC品がTLC品よりも速く、安定してからはTLC品の方が速いという結果でした。
(3)Random Read/Write(Iometer)
Random Read/WriteではReadが多いアクセスではQLC品がTLC品よりも速い結果でし
まとめ
TLCとQLCの比較をしてみましたが、パフォーマンスについては、QLC品はTLC品に見劣りすることはないように思います。新しい世代のSSDということもあり、様々な面で改善がされているようです。耐久性については仕様値としても低く設定されていますが、映像扱うような書き込み量が多いアプリケーションを除いて、例えばPCや産業機器向けの製品には十分使用可能ではないでしょうか。
今後もQLC NANDのSSDは幅広く使われることが考えられますので、ご興味のある方はご評価いただくことをお勧め致します。
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